Ars Electronica(アルスエレクトロニカ)は、オーストリアのリンツ市を拠点に40 年にわたり活動する、世界的なクリエイティブ機関です。 Ars Electronica Japan (アルスエレクトロニカ・ジャパン)はその特別部門として、日本におけるメディアアート関連の教育文化事業、コンサルティングおよび先端研究を行っています。 わたしたちの未来社会のアイディアを共に具現化するパートナーとして、日本のアーティスト、教育機関、公的機関、そして産業界などと連携しながら、クリエイティブな生態系を構築しています。
これまでArs Electronicaと日本のアーティストは、毎年開催されるArs Electronica Festival、Ars Electronica Centerでの展示やイベント、Ars Electronicaの国外企画展において、創造的なコラボレーションをおこなってきました。また、数々の日本人クリエイターが過去のPrix Ars Electronicaで受賞するなど高い評価を受けています。Ars Electronicaの生態系は、アート、テクノロジーそして日本の社会の間に未来の対話をうみ出す豊かな土壌であることが、証明されています。Ars Electronica Japanは日本とリンツの間を行き来するクリエイティブ・プログラムにおいてダイナミックな相互作用を生み出してきました。 ここから生まれたプロジェクトは、文化・創造戦略 (Cultural Initiatives)、コンサルティング・研究開発 (Corporate Initiatives) , 教育・学術研究 (Educational Initiatives) まで多岐にわたっています。
Cultural Initiatives
文化・創造戦略の活動では、Ars Electoronicaの雰囲気を日本にもたらすと共に、アーティストと人々が共に未来の社会を議論するための文化的なプラットフォームを様々な場所に創り出しています。東京ミッドタウンの未来の学校プロジェクト、松戸の科学と芸術の丘、大阪ナレッジキャピタル のアルス・エレクトロニカ・イン・ザ・ナレッジキャピタル ・プログラムなど、ユニークなプログラムが年間を通して実現されています。
Consulting, Research & Development
企業パートナーとのコラボレーションでは、コンサルティングから研究開発まで、アートの視点を用いた課題発見と社会実装を行います。例えば、NTT Swarm Arenaプロジェクトは、日本のテレコミュニケーション企業であるNTTと共同で、ディスプレイ付きロボットを群れ(Swarm)として制御するシステムを開発し、新しいスポーツ観戦体験を作り出すことを目指しました。世界的なタブレットメーカーとして知られるWacomとは、Future Inkプロジェクトを通して未来のクリエイティビティを追求しています。また日本最大の公共放送を行うNHKとは、次世代の超高精細テレビ技術である8Kの創造的な利用を探求する研究を行っています。
Educational Initiatives
教育・学術研究のエリアでは、文化を担う人材の育成と専門的な学術研究を行っています。2021年からArs Electronicaは日本の文化庁と共に次世代プロデューサー育成事業として、Ars Electronica における実践的な研修プログラムを実施しています。慶應義塾大学とはアートの持つ批評的な視点で現在の社会を議論する「アーティスティック・ジャーナリズム」講座を行っています。また、日本最大の広告代理店の一つである博報堂と協力し、アートやアーティストの思考方法を社会に役立てるArt Thinking プログラムを進め、社会的イノヴェーションのための行動を生み出す基盤作りを進めています。